今回の話で小夜とカイの掲げたものは重要に思います。つまり、小夜の掲げた「翼手は狩る」という論理はベクトルの向きこそ正反対ですが、実のところディーヴァの「人類は餌食にする」と基本的にはそのベースは同根です。これは、小夜の過去である、ディーヴァを解き放たなければ良かったという悔恨に由来しますが、非人間的というところは何もディーヴァと違いません。ところが、カイの悪くないものは救わなければならないという論理は翼手だから狩るのではなく、邪悪なものは倒すというところに繋がります。ディーヴァは間違っているから止めなければならないにはなっても、翼手は全滅させなければならないには繋がりません。
小夜の論理は過去の過ちに立脚していますが、カイの論理は未来の希望に立脚しています。過去の過ちを断ち切るという論理しかしない小夜の主張に比べ、カイの未来の希望は繋がなくてはならないという論理に繋がるカイの主張はより人間的に成熟した論理と感じます。結局のところ、小夜もディーヴァも精神が極めて未熟なのではないかと考えます。カイの論理は最終的には、人類の勝利というだけでは意味はなく、人間性の勝利でなければ意味がないというところに繋がると考えます。
そういう意味では、イレーヌの運命がどうなるかは判りませんが、カイの論理は全てを救う可能性があります。恐らく、作品全体の中でも一つの重要な分岐点だと思います。
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