第7話の続きの話です。蒼鉄のこの場での目的は、仲居屋の持っていた覇者の首を我が物とすることにあったようです。勝海舟と西郷隆盛に対して働いていた首をまんまと自分のものにしてしまいました。
もっとも、首を自分に対して使うこともないでしょうね。元々は始皇帝に斬首され、この世に恨み言を残した首、使えば強い力が得られる反面、自分の意思は侵食されてしまうわけですから。物としては、ストームブリンガーなどののろわれし剣が一番近いものでしょう。そんなものにわが身を差し出すような愚か者ではないでしょう、邪悪ではあるかもしれませんけどね。
状況からして、単に幕府と薩長をかみ合わせるというだけでもないようです。それが目的なら今回の事態は放置しておけば目的は達成できたわけですしこの辺は蒼鉄が話してくれないと判らないですね。この辺の構図を多少図にするとこんなところですかね。
今後の展開としては、耀次郎の目的は覇者の首の封印で固まっている以上、赫乃丈の方ですね。確かに、今回中居屋を討った事で表面上、仇討ちは成ったわけです。しかし、中居屋が覇者の首に踊らされた哀れなピエロであったとすれば、赫乃丈の家を襲った悲劇は覇者の首の起こした悲劇の一つに過ぎないことになる。元を断とうとすれば覇者の首をどうにかするしかないわけです。
もう一つのポイントは蒼鉄と赫乃丈一座との関係です。赫乃丈一座の芝居の台本は蒼鉄の書いたものです。したがって、単純に赫乃丈と蒼鉄が対立しておしまいというわけでもないでしょう。そうすると、なおのことまだ語られていない蒼鉄の目的が気になります。何の目的もなくというのはあまりにも不自然ですし。
しかし、このシリーズでは坂本竜馬は非常にかっこよく描かれていますね。覇者の首の影響を自分の意思のみで跳ね除けた男ですからね。勝海舟も西郷隆盛も蒼鉄の野心という一種の僥倖で覇者の首に取り込まれずにすんだ、そして今回の事件を意図したのも蒼鉄。言ってみれば綱渡りに使う綱を相手側が用意していただけ。自分の意思で跳ね除けた竜馬と比べると明らかに勝海舟、西郷隆盛が小物になっています。まあ、源義経とかと一緒で若くして殺害された分、ロマンティシズムを書き立てられるんでしょうね。



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