先日来、巷間を騒がせているように、Virus を作成した容疑で大学院生が逮捕された。この逮捕が著作権侵害という別件によってなされたことで、罪刑法定主義の観点から逮捕に及んだことの是非を問う向きがある。この件そのものについては本アーティクルでは触れない。しかし、なぜでは Virus を含む Malware の作成が法規制されないのかについては触れる価値がある。
問題は不正指令電磁的記録に関する罪の刑法改正案が共謀罪と抱き合わせになっているためである。言うまでもなく、共謀罪は賛否が鋭く対立している案件である。この是非そのもにも本アーティクルでは触れない。しかし、そのために賛否がそれほどくっきりとは分かれていない不正指令電磁的記録に関する罪も成立が困難になってしまっている。不正指令電磁的記録に関する罪だけであれば共謀罪よりも成立は困難ではないと考える。もちろん、不正指令電磁的記録に関する罪自体にも若干の問題点があることは承知している。これについては「ウイルス作成罪」はこうしてほしい / 国会提出刑法改正案の趣旨が詳しい。
結果的に、不作為の状態が放置されていると考える。これは落ち度という他ない。共謀罪の成立のめどが立たないから、必要性が高く、明確な反対者のいない不正指令電磁的記録に関する罪を分離提出しないのでは政府・与党の横暴ないし怠慢というしかない。かかる、不作為は是正される必要がある。

