OVA のストレイトジャケットを観賞して、しばらくたったので感想を上げてみます。ストレイトジャケットは榊一郎の小説を原作としたアニメーションです。作品自体、陰惨な空気の漂う世界なので OVA というチョイスは妥当だろうと思います。原作の小説は結構長い作品なので、OVA では原作の1巻の話をベースにしているとは思いますが、アイザック・ハモンド、レイチェル・ハモンドというオリジナルキャラクターに作品のテーマを託しています。
アイザック・ハモンドは主人公 レイオット・スタインバーグと対になる位置関係です。つまり、腕は一流なれど無資格というレイオットに対してアイザックは優等生的な戦術魔法士です。しかし、そうやって作られた構図はアイザックの妹、レイチェルの死で一変します。OVA で軸となるケース SA は半ば人為的に起こされた出来レースでしかも、アイザックの属するチーム「ブラック・ドッグ」のトップがからんでいた。その意味ではレイチェルは「ブラック・ドッグ」に殺された。
「ブラック・ドッグ」は意図的にテロリストに魔族テロをやらせることで、魔族退治の収入を得。そして、金員を出すことでテロリストも生存を続けるという持ちつ持たれつのテロのマッチポンプをやっていた。しかし、放たれた魔族はレイチェルを殺害し、妹を大切に思うアイザックは壊れた。そして、アイザックは戦術魔法士としての能力を使った凶行に走った。最終的にはアイザック自身モールドの破損から魔族化し魔族としてレイオットに狩られる結末を迎えた。レイオットに自分のたどり着けなかったものを見てこいとの言葉を残して…
アイザックとレイオットは対照的です。アイザックの兄妹レイオットの師であるドーベルン・スタインバーグに命を救われ、彼を規範にアイザックは戦術魔法士を目指した。一方、レイオットはドーベルンにその身を救われながらも何らかの理由で魔族化したドーベルンから自分を守るために。ドーベルンを殺害した。それゆえにレイオットは生きることにどこか絶望している。キャラクターの造詣もライトとは程遠いですから。
少なくとも、ストレイトジャケットの世界を描くという。OVA の目的は達成されていると思います。また、OVAではそこまで描かれませんが、どこかこの作品の世界は終末的な空気を漂わせています。その意味では現在、放送されているTVアニメーション "ブラスレイター" もどこか終末的です。今回のOVA化は結構、良い感じの小品に仕上がったと思います。見る価値は十分です。
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