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RD 潜脳調査室 #08: ノー・フレンド

今回の事件は SETi@Home のような分散型のクラスタリング環境が事件の主因です。計算機の分散クラスタでなら多くの場合は問題はありませんが。この事件の主因は脳の未使用領域を使用した人間の脳の分散クラスタであったために。アバターデータが当人の意識に割り込み、存在しない幽霊イメージを作り出してしまったわけです。

今回は主人公の波留真理は都市伝説の中で話題として出てくるのみです。そういう意味では、一種の箸休め的な話ですが。最後のところで、未使用領域だったからこそただの騒ぎで終わったものの。本人の自我の中核が外部から書き換えられたらという話のところで背中がざわっとしました。自我を形成する過去の記憶や人格の根本が書き換えられれば、言って見ればその当人にとっては心の死以外の何物でもないです。仮に肉体が生命活動を続けていたとしてもそれはもはや自己同一性が否定される肉塊でしかありえなくなります。

恐らく、意図としてはこちらの方を触れるというものがあったように思います。そのため、事件そのものは箸休めである必要があったのではないかと。たとえば、これがスクラップド・プリンセス原作の『獣姫の狂詩曲』でエイローテ・ボチャードを襲った悲劇のような事件であったら…。すなわち、自我を形成する中核の情報を不可逆的に変質させられるような事態ですが。そうであったなら、もはや見ていて辛いです。スクラップド・プリンセスであればそれが一種の戦争であるからこそ、悲劇は悲劇として成り立ちますが、RD 潜脳調査室には重いでしょうね。

そう考えれば、少し軽めのエピソードの中で最後にざわっとした感じで成分を混入するのは理解できる話です。今回のエピソードもなかなかスパイスの利いた興味深いエピソードでした。今後も、面白いエピソードが続くことを期待します。

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2008年05月30日 00:16に投稿されたエントリーのページです。

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