久島の過去とリンクした話ですね。純正律そのものは作中でも完全純正律とピタゴラス音律が絡められて描かれています。確かに現在多く用いられている平均律に比べて美しくなるかもしれないというのはあります、作中でも出てきたヴァイオリンなんかだと特にかな。ただ、作中でも描かれていますが転調なんかが絡むと難しいことにもなりますね。そういう意味では作中では一種の困難と位置付けられています。
久島は一種の求道者的なところがあります。一般的な感覚ではおそらく、久島には才能があったのではないかなと思います。ただ、久島にとってはなんというか執着に結びつかなかったのではないかなと思います。どれほど、才があっても執着がなければそれを続けていくのは困難ですから。まあ、刺されかねないですけどね。
久島と対比されているのがゲストキャラの一之瀬カズネです。彼の場合は久島と違って音楽に拘った、自分が道を極めて行けばきっと久島が聞きに来てくれるに違いないと信じて、しかし久島は聞きに来てくれない。それは自分の音が聞く価値がないからだと考え、ヴァイオリンを置く決意を固め、ラストコンサートを決めた。
この話では久島が聞きに来ることを一之瀬カズネが知る展開はなかったのですが。それはそれで、良かったように思いますね。なぜなら、ミナモが感動し、彼の思いはたぶん蘇ったと思うから。その後、彼が活動を再開したかどうかまではわかりませんが。ただ、私は彼の気持ちを感じたしそれでよかったのではないかと思います。
ただ、今回の話で逆に、久島の地球律への執着は感じましたね。公式サイトの記述では音楽に足しては久島は「もうやるべきことはすべてやりつくしました。僕にとって音楽とは、僕の歩むべき道ではないのかもしれません。」という立場を取ったようです。しかし、地球律にはまだやるべきことをやったとは全く思っていないのでしょう。だから、執着する。その執着がどういう終局に結びつくのかは判りませんが彼を執着させる何かがあるのでしょう。彼の言葉では「愛」となってしまうのですが。
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