今回の話はこの作品の中核を占める要素 "メタル" が直球で出てきています。メタルまたの名をメタリアル恐らくはスペリングとしては meta-real でしょう。公式サイトでは以下のように説明されています。
メタ・リアルとよばれる電脳世界。2061年の人工島においてメタルはリアルの上にオーバーラップするもうひとつの現実であり、人間の生活に欠かせないものとなっている。
meta- は前置詞的に「のちに、変化して、越えた、共に」という意味ですから。現実を越えた現実、現実とともにあるもう一つの現実といったところでしょうか。この種の単語はサイバーパンク的な作品ではいろいろ出てきます。Serial experiments lain に於いてはワイヤードと呼称されるものがそうです。.hack の The World なんかもそれに近いかな。 Avalon の同名の仮想政界もそうです。
今回のサブタイトル「職」、使われ方からすると職責という方が近いかな。メタリアルで発生した、対処の難しい事態に対して。ミナモとソウタの父・衛は中枢サーバを機能停止させることで市民の生活を守った。しかし、この対処困難なメタルの挙動は公開できるようなものではないため、衛一人が責を取ることとなった。ただ、久島にしても冷静に見えて、結構情に厚いところもあり、重要なことを衛に話していますね。結果的に、あまり湿っぽくないエピソードだったかと思います。
事実はほとんど闇に葬られるでしょうから。衛の勇気は世間には知られることはないでしょう。しかし、久島も衛の勇気を知っているし、謝意も示している。辞することになった課長のポストもいずれ、機会を見つけて返すことになるのでしょうね。知られざる英雄というのはかっこいいものです。久島がいい男をしていたというのもありますけど。今回も印象が薄い主人公の波留も凄腕ダイバーという側面をいいところで覗かせていましたし。面白いエピソードだったかと思います。
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