2008年11月アーカイブ

STRAIGHT と v.morish の記事が IT PLUS の記事 "1年後にはオリコン入り!? 「初音ミク」超えた音声合成技術" に出てきています。感動を伝えているのはいいがこの記事中身がさっぱり見えないので少々説明を含めて考えたいと思います。

まず、初音ミクというか Vocaloid からです。Vocaloid のキモは周波数ドメインアーティキュレーション接続法というヤマハがノウハウを持っている技術です。単純に言うと 50 音のペアをあらかじめ録音しておいてなめらかに聞こえるように補完するという形です。これは、先日、札幌であったイベントの席上でのクリプトンフューチャーメディアの社長の発言から読み取りました。

で、v.morish というかその中核である STRAIGHT なんですが、STRAIGHT は乱暴に言うと音声信号を入力して、そこからフォルマントのような成分やスペクトル包絡、非周期的な成分に分解することができる技術です。私が触ったことのあるバージョンだと基本周波数F0はスカラー量で得られたかと思います。そして、逆方向の変換も相当に高品質にできます。

こういった個々の成分上で、処理を行うことで加工が行える事実が v.morish のキモだろうと思います。こういった方向性のソフトだと、Roland の V-Vocal だとか、ソフトだと Melodyne だとかが知られています。単純に基本周波数 F0 をいじるだけでも結構面白いことができます。そして、成分に分解することで時間軸上の情報をいじったりしてリズムにかかわる範囲、たとえばアマチュアの声を入力してプロっぽくしたりするわけです。

まあ、言うまでもないんですがこの辺の技術は高音質な分析と再構成にあるので、各種の成分が主観的にどう影響しているのかという研究は必要です。この辺がまあ、感性工学と呼ばれる分野のひとつの柱ともいえるのかな。

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原島 博

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田母神俊男・航空幕僚長が懸賞論文に寄稿していた件で更迭された。この論文は総合都市開発「アパグループ」の懸賞論文で最優秀賞を取っているが、正直、全文を通読した限り論文の名に値しない。ある人物がまとめサイトと称したがいいえて妙である。世にはサーベイ論文という、ある研究分野の動向を著者の観点で整理・評価したサーベイ論文があるがサーベイ論文と考えようにも、その域に達していない。実際、きちんと書かれたサーベイ論文はその分野での動向を確かめるのに非常に貴重で価値のあるものだが、この自称・ロンブンにはその価値は認められない。

本来、通説を否定する論旨の論文を書くには膨大な下調べがいるし、手順がある。たとえば、「この日本軍に対し蒋介石国民党は頻繁にテロ行為を繰り返す。」としているがこの部分をさらっと書いてしまうのは、論文としては非常にまずい。というのも、論文ではこういった行為があり、そしてこれはこういう理由でテロ行為であると書かねばまずい。まして、論旨の重要な部分であるのだからその部分の検証プロセスを怠っては論文足りえない。

結局、このお説は「諸悪の根源はコミンテルン」という主張に終始する。正直、新規性は見られない。また、現在、通説とされることへの反論としては上記、例にも挙げた通り脆弱と判断せざるを得ない。引用した資料も偏っているだけではなく、参考文献を追いかけて源流に当たるなどの努力を払っていないためなおさら、根拠を弱めている。

もともと、この男は4/17の名古屋高裁が自衛隊イラク派兵違憲判決を下した際に「そんなの関係ねえ」と言い張った男である。天木直人氏も同氏のWeblogでとっくに更迭されていなければならなかったにもかかわらず放置されてきたと糾弾している。まさしく、問題が表面化して初めて動き出したという天木氏の見解には私も同意する。

自衛隊の組織腐敗はここまで進行しているのかと思う。なぜなら、何かを分析するに当たっては、調べを怠ってはならない。調べを怠っては誤謬をそのまま結論とする可能性がある。そして、場合によってはそれは致命的な結果につながることもあり得るのが現実である。空幕長という重職を務めるにあたって、この論文を見る限りその能力が十分であるとはとても言えない。その性向以前に能力が不足していることは明らかだ。この男は更迭されるべきだ、否、この職につけたことそのものが誤りだ。

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