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稚拙な空幕長の自称・ロンブン

田母神俊男・航空幕僚長が懸賞論文に寄稿していた件で更迭された。この論文は総合都市開発「アパグループ」の懸賞論文で最優秀賞を取っているが、正直、全文を通読した限り論文の名に値しない。ある人物がまとめサイトと称したがいいえて妙である。世にはサーベイ論文という、ある研究分野の動向を著者の観点で整理・評価したサーベイ論文があるがサーベイ論文と考えようにも、その域に達していない。実際、きちんと書かれたサーベイ論文はその分野での動向を確かめるのに非常に貴重で価値のあるものだが、この自称・ロンブンにはその価値は認められない。

本来、通説を否定する論旨の論文を書くには膨大な下調べがいるし、手順がある。たとえば、「この日本軍に対し蒋介石国民党は頻繁にテロ行為を繰り返す。」としているがこの部分をさらっと書いてしまうのは、論文としては非常にまずい。というのも、論文ではこういった行為があり、そしてこれはこういう理由でテロ行為であると書かねばまずい。まして、論旨の重要な部分であるのだからその部分の検証プロセスを怠っては論文足りえない。

結局、このお説は「諸悪の根源はコミンテルン」という主張に終始する。正直、新規性は見られない。また、現在、通説とされることへの反論としては上記、例にも挙げた通り脆弱と判断せざるを得ない。引用した資料も偏っているだけではなく、参考文献を追いかけて源流に当たるなどの努力を払っていないためなおさら、根拠を弱めている。

もともと、この男は4/17の名古屋高裁が自衛隊イラク派兵違憲判決を下した際に「そんなの関係ねえ」と言い張った男である。天木直人氏も同氏のWeblogでとっくに更迭されていなければならなかったにもかかわらず放置されてきたと糾弾している。まさしく、問題が表面化して初めて動き出したという天木氏の見解には私も同意する。

自衛隊の組織腐敗はここまで進行しているのかと思う。なぜなら、何かを分析するに当たっては、調べを怠ってはならない。調べを怠っては誤謬をそのまま結論とする可能性がある。そして、場合によってはそれは致命的な結果につながることもあり得るのが現実である。空幕長という重職を務めるにあたって、この論文を見る限りその能力が十分であるとはとても言えない。その性向以前に能力が不足していることは明らかだ。この男は更迭されるべきだ、否、この職につけたことそのものが誤りだ。

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2008年11月02日 12:15に投稿されたエントリーのページです。

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